30代ワーママ看護師のあられと申します!
私には小学校1年生の時にADHDと診断された長男がおります。
長男は2年生のときから「通級指導教室(略して通級)」に通っています!
うちの子も通級を勧められているんだけど、行くとどんなメリットがあるの?
クラスメイトから変わった目で見られたり、差別されたりしないか心配なんだけど・・・
通級は子どもが自尊心を持てるように「褒めて伸ばしてくれる」場所だよ!
その子の特徴に合わせて、学校生活が楽に送れるように支援してくれるので、普段の学校生活が過ごしやすくなると思います^^
低学年のうちは通級に行くと言っても深く詮索しない子が多いし、堂々として大丈夫!
もちろん「家庭の用事で早退する」と言っても大丈夫^^
情緒障害に対する通級指導教室に実際に通っている体験談を通して、通級の実際やメリット・デメリットについてお話していきますね♪
今回は私が住んでいる地域の通級(情緒障害級)についてお話していきます。
各市区町村で通級指導教室の名称や、あり方が違う場合があります。
「情緒を育てる教育」として基本的な部分は、ずれがないと思っています。
参考にしていただければ幸いです。
通級指導教室(通級)とは
身体障害や情緒障害、学習障害のある子どものうち、比較的障害の程度が軽い子どもが、通常の学級に在籍しながらその子の障害特性に合った個別の指導を受けるための教室です。
在籍級での学習や給食などの時間はみんなと一緒に過ごし、週に何時間かある通級による指導の時間だけ通級指導教室に移動して、それぞれの困りごとや課題に合わせた支援・指導を受けます。
参考:発達ナビ「通級指導教室の対象や指導の内容、通い方、通級指導教室と特別支援教育との違いを紹介」
https://h-navi.jp/column/article/35026326
あまり馴染みがないかもしれませんが、私の体感では1クラスに1人~2人程度は利用しているお子さんがいる印象です。
通級の対象者
・視覚障害
・聴覚障害
・肢体不自由
・言語障害
・自閉症
・情緒障害
・学習障害
・ADHD(注意欠如・多動性障害)
・病弱および身体虚弱
通級を利用するためには、小学校を通して各市町村の「教育委員会による判定委員会」や「総合教育センター」等に申請する必要があることが多いです。
私の住んでいる市区町村では、通級指導教室の利用は、原則申請した年度の次年度からでした。
私の場合、2年生で通級を利用するためには、1年生の10月までに総合教育センターへ申請しなければなりませんでした。
入学後に問題が発生した場合、スピーディに各所へ相談し行動しないと、次年度から通級を利用するのは難しいスケジュールだと思いました(^^;)
どうやって通うの?
私の住んでいる市区町村では、すべての小学校に通級指導教室が設置されているわけではありません。近隣の小学校から、通級のある小学校へ移動して授業を受けます。
私の住んでいる市区町村では、子どもだけで通級へ行くことはできず、必ず親の送迎が必要になります。
就労などで親が送迎するのが難しい場合は、地域で行われているファミリーサポートなどのサービスを利用している方もいるとのことでした。
私は半休を取得して送迎していましたが、就業開始時間ギリギリが多く大変でした^^;
移動は公共交通機関を利用することが原則です。コロナ禍の時は感染予防のため例外として自家用車の利用が認められた時期もありました。
通学のための交通費は、毎年教育委員会から支給されます(こどもの交通費は全額、大人の交通費は半額)。
通級のスケジュール
通級の時間は、午前か午後のどちらか半日になります。
低学年は午前中、高学年は午後のことが多いようです。
通級が午前の場合は、家から直接通級のある学校へ向かいます。9時15分から11時15分まで通級で授業を行い、終わったら自分の小学校へ移動します。
丁度給食が始まる時間に到着することが多いので、小学校についたら給食を食べて、午後の授業を受ける形になります。
通級が午後の場合は、自分の小学校で給食を食べてから、通級のある小学校へ移動します。14時10分から通級が始まり、16時10分に終了します。終わったらそのまま自宅に帰ります。
自分の小学校で運動会や遠足などのイベントがあったり、特別に参加したい授業があるとき(図工とか音楽の発表とか)は、そちらを優先して大丈夫です!あくまで通級は「学校が楽しく通えるようにサポートする場所」だからだそうです。
通級に通い始めた小学校2年生の時は週1回でしたが、3年生になったときは2週間に1回になりました。
通級のカリキュラムの具体例(情緒障害)
<ある日の通級カリキュラム>
活動 | ねらい | |
9:10 | はじめの会 ・挨拶 ・予定の確認 ・プリント | ★学習の見通しをもつ ★一斉指示理解 |
9:30 | 図工「紙コップけん玉」 | ★指示を理解して取り組む ★援助要請をする(わからないときは助けを求められる) ★時間で切り上げられるようになる |
10:00 | 休み時間 ・トイレ、体育着へ着替え | ★手順に沿って着替える ★時間で切り上げられるようになる |
10:10 | 体育 ・準備体操 ・キャッチボール ・ドッチボール(①当たっても続ける②当たったら相手チームへ行く) ・着替え | ★模倣ができる ★当たっても、投げられなくても活動がの楽しめる ★ルールや順番を守る |
10:35 | 「ビンゴゲーム」 ・絵カードでビンゴゲームを行う ・友達が言ったものを消していく。一人一回は発言する。 ・仲間と一緒にビンゴゲームを楽しむ。 | ★やり方を理解して取り組む ★課題に対する興味・関心を持つ ★感情の調整「ビンゴにならなくてもまあいいや」 ★勝ち負けの感情のコントロール |
11:00 | おわりの会 ・振り返り(プリント記入) ・帰りのしたく | ★自分の行動の振り返り ★次回の見通しを持つ |
各グループごとのねらいに沿ってカリキュラムが作られます。
長男のグループでは図工や体育、みんなで行うゲームを行うことが多く、座学が退屈な長男はとても喜んでいました。
うちの子は勝ち負けにこだわるところがトラブルの原因になっていたので、感情コントロールのトレーニングができたのもありがたかったです。
グループの雰囲気に合わせて、さらに少人数グループに分けて活動をしたり、別の活動に柔軟に切り替えてくれたこともありました。
通級の間、親は何をしているの
子どもが通級で活動している間、親は控室で過ごします。
子どもの担任の先生とは別に「保護者担当」の先生がいて、親御さん一人一人に子どもの近況や困っていること、悩みなどについて聞いてくれます。
親同士もはじめは緊張していたのですが、1週間に1回顔を合わせることもあり、段々と打ち解け、みんなで子どもの悩みやグチ、それぞれの小学校の様子などざっくばらんに話し合うようになりました。
保護者控室は子どもの様子がモニターで見れるようになっていたり、教室や体育館の様子がマジックミラーで見れるようになっていて、授業中の様子を見ながら子供へのかかわり方のアドバイスを聞いたりもしました。
「同じ悩みをもつ親御さん」に出会う機会が私は少なかったので、通級で出会えた親御さんと悩みを共有できたのは本当にありがたかったです。
人見知りなほうですが、さすがに一週間に一回会うと打ち解けてきます(笑)
通級指導中は、親は原則控室で待機するルールですが、コロナ禍だったこともあり外出して送迎に戻ってくることも可能でした。
モニターやマジックミラーで授業の様子を観察していることは子どもには秘密です。下の子を連れてくることも可能でしたが、親が授業を見ていることを言わないように注意が必要です。
通級のいいところ
①とにかく「褒めてもらえる!!」
通級に通うことになった子どもたちは、多かれ少なかれ、普段の学校でうまくいかなったり、しんどいことを抱えていて、傷ついたり、自尊心が低くなっていることがあります。
うちの子も、学校でトラブル続きで「自分なんて悪い子なんだ」と言い自尊心が傷ついていました。
通級はとにかく「褒めて伸ばす」ことを徹底しています。本当に些細なことでもよく見つけてくれて、すぐに褒めてくれます。長男もとてもうれしそうで、段々と周りのクラスメイトのいいところを発表できるようになったり、勝ち負けにこだわらない様子が見られるようになりました。
②その子の課題に合わせて指導内容を作ってくれる、通っている小学校とも連携してくれる
通級に通うにあたり、子ども一人一人に合わせて指導計画が作られます。その指導計画は通っている小学校と共有されるので、担任の先生もその子の特徴にあった関わりを心掛けてくれます。
通級に通わなかったら「ただの問題児」扱いされ、本人の自尊心も低下する一方だったと思うので、その点では発達障害とちゃんと診断されて、長男に合った関わりを考えてもらえてよかったなぁと思っています。
通級での授業の様子は、毎回通級の先生がプリントで報告してくださり、親がコメントを書いて、担任の先生にお渡しします。その際に気になっている点なども担任の先生に伝えられるので、良いコミュニケーションにもなると思います。
③大変のなのは「自分だけじゃない」と気付ける
通級に通うまでは、「うちの子だけが問題児で皆さんに迷惑をかけている」「ほかの親御さんになんて思われているんだろう」「なんでうちの子だけできないんだろう」と思っていました。
でも通級で同じ悩みを持つ親どうし交流することで「大変なのは自分だけじゃなかったんだ!」と気付くことができました。
子どもが学校でトラブルを起こした次の日など、保護者担当の先生や親御さんに話を聞いてもらい、救われた場面が何度もありました;;
普段通っている小学校が違うことも多いので、利害関係なく話せて、情報交換ができるのも楽しかったです。
通級の大変なところ
①送迎がとにかく大変
各小学校に通級が設置されている市区町村もあると思うのですが、私たちが住んでいる地区は、おおよそ15個の小学校に一つ程度しか通級設置校がありませんでした。
基本的には公共交通機関を使って送迎する必要があり、駅から遠い小学校も多いので、就労していたり、小さい子どもがいると本当に送迎が大変です。
②クラスの中で合わない子もいる
長男が2年生の時在籍した通級のクラスは2・3年生合同で、男の子4人・女の子2人の計6名でした。
長男のように多動や衝動性のあるADHD傾向が強い子もいれば、ASDの傾向が強いお子さん、場面緘黙症などの症状があるお子さんなど、いろいろな課題を持つお子さんで構成されたクラスでした。
もちろんみんな仲良く学習できれば良いのですが、時には情緒が不安定になってしまったり、言い争いになってしまうこともありました。
子どもたちへの支援を行うにあたり、子ども同士が離れて活動したほうが良いと判断された場合、クラスを分けて活動することもありました。
苦手な人や合わない人への対処も、通級で学ぶ人間関係の一つかなと思います。
子どもの様子を見ながら、時間で分けたり、グループで分けたりして、それぞれの目標が達成できるように支援してくれます。
保護者担当の先生が親の意見も聞いてくれて、ちゃんとかかわりに反映してくれました。
まとめ:通級はこどもにとって安心できる場所になる、怖がらず利用を検討してみて
通級は子どもにとって「自分を認めてもらえる、安心できる場所」になり得ます。そして通級をベースに、子どもへの良い関わりが学校にも親にも広がっていきます。
親も子どもも元気をもらえる場所なので、利用できる機会があったら、怖がらずに利用を検討してもよいのではと思います。
長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!
通級を検討している方の参考になれば幸いです♪