30代ワーママ看護師のあられと申します!
私の長男は現在小学校3年生ですが、小学校1年生のときにADHDと診断され投薬治療(インチュニブ)を行いました。
今回は小学校1年生の長男が、療育センターで医師の診察を受け、投薬治療を勧められたときのことをお伝えしますね♪
・ADHDの投薬治療を提案されたけど、複数の選択肢が合って迷う
・ほかの人はどういう基準で薬を選んでいるの?
・子どもにどうやって投薬することを伝えればいいの?
・投薬開始にあたっての注意点は?
・投薬開始後の治療はどうやって進んでいくの?
療育センターでの診察前編はこちら↓
ADHD治療薬の選択
お医者さんより、子どもの自尊心をこれ以上下げないために、ADHDに対する投薬治療が提案されました。
当時提案された薬はこの3種類です。
コンサータ錠は脳の神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)の働きを活性化させることでADHDの症状である不注意、多動・衝動性などの症状を改善する働きがある。
薬の成分は少しずつ放出される構造となっており、朝1回服用することで約12時間効果が続くようにできている(→効果が切れた瞬間がわかるほどだそうです。)
主な副作用は食欲低下や不眠。 特に昼食をあまり食べなくなる傾向があり、子どもにおいては栄養不足や体重減少がないかよく観察する必要があります。
※不適正な使用(依存や乱用)を防ぐために、登録医しか処方できません。患者側も登録が必要です。
先生は「目が覚めてよく眠れなくなる子が多いかも。食欲がなくなって身長伸び悩む子もいたかな~。」とのことでした。
脳におけるノルアドレナリンあるいはドパミンの再取り込みを阻止することで、これらの神経伝達物質の濃度を上昇させる。ノルアドレナリンの増加が、集中力や注意力を高めるなど諸症状の改善に関係していると考えられる。
脳の依存形成にかかわる部分ではドパミン濃度が上昇せず、依存・乱用につながる危険性は極めて低いとされる。
速効性はなく効き方はコンサータよりゆるやか。服用開始2週間くらいから徐々に効き始め、6~8週目で効果が安定してくる。一日を通して途切れることなく効果が持続する。
主な副作用は食欲不振や吐き気、腹痛などの胃腸症状。頭痛や眠気も多い。これらの副作用は、飲み始めや増量時に多くみられ、続けているうちに軽減することもある。コンサータと比べて副作用が比較的少ないとされる。
先生は「効果が出るまで3週間くらいかかると思う。吐き気とかの胃腸症状が出ること多いイメージかな~。」とのことでした。
脳内神経伝達物質の働きを調節し、神経伝達をよくすることで症状を改善ADHD症状を改善する。
効力は速効性のあるコンサータに及ばないが、ストラテラと同程度の有効性が示されている。効果発現はストラテラよりやや早く、服薬開始後1~2週で効いてきます。
もともと高血圧の薬なので、低血圧や徐脈の発現に注意が必要です。ほかに眠気やめまいが出ることがある。
コンサータのような依存の心配はない。
先生は「けっこう眠気が強く出るイメージかな。ストラテラよりは効果が出るのが早くて、3~4日で効果を感じる人もいるよ。ほかの薬と違って、困りごと全般に広く効果が出るイメージかな~。」とのことでした。
上記3種類の選択肢が示されました。
※現在は「ビバンセ」というコンサータに似たADHDの治療薬が新たに承認されています。
コンサータは依存性が怖いし、ストラテラよりは早めに効果が欲しいし胃腸症状が気になる、眠いくらいなら長男もあまり辛くないかな・・・と考え私は「インチュニブ」から始めることを選択しました。
投薬することをどうやって伝える?
さて、受診することについては長男に同意を得ていましたが、投薬する可能性があることについては長男に伝えていませんでした。
投薬について、お医者さんから長男にお話ししてくださいました。
「〇〇くんが困っていることが結構あると思うんだけど、〇〇くんがこれ以上辛い思いをしないために、お薬を飲むのがいいんじゃないかなって先生は思ってるよ。」
「勝手に手が動いたり(手を出す)しないようになると、〇〇くんも過ごしやすくなると思うんだ。」
ふーん・・・まあ別にいいけど。どんな薬なの?
急なことでよくわからなかったのかもしれませんが、「長男の困りごとを減らしたい!」という思いを伝えたら、投薬について一応は受け入れてくれました。
インチュニブの内服にあたっては
・血圧のチェック
・心臓の機能のチェック(心電図など)
が必要です。
療育センターでも実施できる場合がありますが、私たちが利用していた療育センターからは小児科で検査を受けるか、学校検診の結果を持参するよう指示がありました。(夏休み中だったため連絡を取るのが大変でしたが、私は学校検診の結果を利用しました。)
痛み止めや抗生剤と違って利用者が限定されるお薬なので、薬局に処方箋をもっていく際は、あらかじめその薬局に在庫があるか確認するのがおすすめです。
インチュニブは内服後に眠気が出やすい薬なので、眠前1回・1mgから内服を開始することになりました。
今後の診察の流れ
その後は内服状況や副作用の確認のために、一か月後に診察の予定が組まれました(処方もまずは一か月分でした)。
また診察日より前に、WISC-Ⅳという心理検査を受けることになりました。
WISC-IVはウェクスラー式知能検査の一つ。
世界各地で使用されている児童用の知能検査として、全体的な知的能力や記憶・処理に関する能力を測ることができるため、発達障害の診断やサポートに活用されています。
WISC-IVの結果は、子どもの発達状況や、得意不得意を把握する上で便利な手段となりますが、その結果だけで発達障害の診断が確定するわけではありません。
心理検査の結果は、今後支援級や通級に通う際にも活用できるので、受けられるタイミングで受けておくのがいいかなと思います。
必要な時に改めて心理検査の予約を取ったり、大学などの機関に依頼すると、予約がいっぱいで時間がかかることが多いそうです。
WISC-Ⅳの結果を学校の先生に見てもらうことで、関わり方に活かしてもらうことができました。
何より子どもの得意・不得意がわかって、子どもに寛容に接することができるようになりました♪
その後の診察でも心理検査の結果を踏まえて診察を行い、お医者さんから日々の生活のアドバイスをもらいます。投薬状況が安定した後はだいたい3か月に1回の診察になりました。
またお医者さんに、「ペアレントトレーニングを受けたい」とお話をしたところ、療育センターで行われいるペアレントトレーニングの親向けの講座を勧めてくれました。
ペアレントトレーニングとは、保護者が子どもとのより良いかかわり方を学びながら、日常の子育ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する保護者向けのプログラム。
基本的には「困っている子をほめて育てる方法」をグループワークで学んでいくプログラムです。
ペアレントトレーニングの体験談についてはこちら↓
診察を受けることで治療が一気に前に進む!
私の場合は初診で投薬を勧められ、ショックを受けたり戸惑ったりする気持ちもありましたが、
診察を受けることで、子どもの困りごとの解決のために一気に良い方へ進むことができたと感じています。
お医者さんをはじめ療育センターのスタッフさんに優しく接していただき、何より「解決の糸口がある」「困っているのは私たちだけじゃない」と思えたことが、とても心強かったです。
発達障害の傾向があると認めて、受診をしたり投薬を受けることは抵抗がありますが、何より子どものために、早めに活用しても損はないんじゃないかな、と思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
私たちの経験が、誰かの役に立つことがあればうれしいです。